top of page

「りゅうがヘッドコーチかぁ…」

 

河相選手のセリフです。

2014年夏、バンビシャス奈良からヘッドコーチ決定のリリースがされました。

就任したのは小野寺龍太郎さん。 河相選手と同い年で、以前一緒にプレーしたことがある人でした。

昔の河相選手を知る、小野寺さんのロングインタビューをお届けします。

 

----------------

 

―小野寺さんと河相選手は埼玉ブロンコス時代、同時期にプレーされていたと伺っています。

智志とは埼玉ブロンコスが日本リーグでJBL2だったときのチームメイトでした。

 

 

―当時の話をすると、「恥ずかしいくらい下手だった…(笑)」と河相選手は話します。小野寺さんから見た河相選手はどのような選手ですか?

恥ずかしくないとは思います(笑)。

シュートが上手かったですね。シュートを軽く飄々と打つ感じも好きでした。それは今も変わってません。 

 

昔は今と比べて体が小さかったんですよ。僕も細かったけど、彼も細くて。そういう部分で苦労してたのかなという印象はあります。

ただ、センスやバスケット的な感覚はとても優れた選手でした。

そして、誰よりもバスケットが好きというのが伝わってくるというか…。

勝ち負けにこだわってやらなければいけない世界だけれど、 それ以上にバスケットを楽しんでいるということが、

選手としてとても大事なところなのだなというのを感じてました。

 

あと、僕は怒られるとしゅんと落ち込んでしまうタイプだったんですが、智志は気にしてるかわからない(笑)。

切り替えが速いというか、楽観的というか、プラス思考というか。 ちょっと不思議な感じもしましたね。

当時から選手として良くなっていく要素をたくさん持っていたと思います。

海外にも行ってますし(※2)、影の努力家というか。 そういうストイックな部分はあったので。

 

僕は彼のことをうらやましく思っていたこともあったんですよ、人柄も含めて。

 

 

―では、普段の河相選手はいかがですか。

不思議ちゃんですね(笑)。

大人数で一緒にいることがあまり得意じゃない人間だと思うんですよ。

それこそ僕も練習以外でご飯行ったり、飲みに行ったりはしたことはありません。

…あ!家で一人でいるのが好きというのは言ってましたね。

 

 

―家で一人でいるのは昔から変わってないんですね…(笑)。

ええ?!今もそうなんですか。あいつ大丈夫なのか…(笑)。 

智志は謎が多くて不思議。

でも、そういう性格なのにチームを渡り歩きながらプレーできているというところがすごいなーと思いますね。

ああいうタイプだと諦めが早かったり投げ出したりという風に思われがちですけど、それは全然ないし。

今まで続けている要因はその不思議な雰囲気なんじゃないかと。

 

それに、2人でいてもつらくない。久々に会っても変な感じにならないし。

もちろん智志がああいう奴だということもわかってるからだと思いますけどね。

 

 

―小野寺さんと河相選手は現在、「ヘッドコーチ」と「選手」という間柄ですが、こうして今同じ舞台に立っていることをどう思っていますか。

うれしいですよね。

僕はコーチとしてはまだ1年目ですが、彼はずっとプレイヤーを続けていて。同い年なのにすごいなと。

それに同じ舞台でやれているというのは彼くらいしかいないですし。

 

僕はプレイヤーとしてはあまり向いてなくて。そう感じてすぐプレイヤーを辞めました。

でも、彼は地道に努力できる選手。

しかもそれをアピールすることもない。 誰も観てないところでコソコソ努力している選手だったんですよ。

僕はそれを近くで見ていて、すごいなって思ってました。

当時から気になる存在ではあったので、今も選手として活躍していてうれしいなと思っていました。 

 

彼はバスケットの選手として恵まれているようなタイプではない。

それは背が大きいとか、速く走れるとかという身体的な意味で。

でも、この年齢まで第一線で活躍できているというのは、見えないところで努力しているということなんだと思います。

…本人には言ったことないですけど(笑) 。

 

 

―ヘッドコーチとしての今後についてお聞かせいただけますか。

バスケットは毎年進化していくので、それに合わせてコーチも進化しなければなりません。

僕もそれについていけるように追求しなければなりません。常に勉強ですね。

来シーズンは、今年経験できたことをしっかりと活かせるように頑張りたいです。

 

そして、彼がプレイヤーのうちに一緒にやりたいですよね。僕は彼のことが本当に大好きなので。

コーチとしてもっともっと勉強して、コーチとして安定した成績を残せるようになって、彼を引っ張ってこられるような力をつけて。

もう一度、彼と同じチームでできたら…うれしいですよね。

 

 

(2015年4月26日レギュラーシーズン最終節 第2戦試合後インタビュー)

※河相選手は2009年にニッポン・トルネードの一員として渡米。IBLでプレーしました。

 

Special Interview Vol.2 ~同じ舞台に立つ同級生・小野寺龍太郎~ 

◆小野寺龍太郎(おのでら・りゅうたろう)

1981年12月9日生。宮城県出身。

宮城クラブコーチ

埼玉県成年国体男子アシスタントコーチ

Nippon Tornadoesヘッドコーチ

埼玉ブロンコスアシスタントコーチ
バンビシャス奈良ヘッドコーチ

埼玉ブロンコスヘッドコーチ

選手引退後、数々のチームのアシスタントコーチなどを経て、

2014年夏TKbjリーグバンビシャス奈良ヘッドコーチに就任した。
2014-15シーズンは、島根スサノオマジックに所属していた河相選手とも対戦実績あり。
2015-16シーズンは自身も選手としてプレーしていたチーム、

埼玉ブロンコスのヘッドコーチに就任。

bottom of page